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ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)とは?教育格差や貧困問題を事例をわかりやすく解説

投稿日:2019-07-03 更新日:

ソーシャルキャピタル(社会関係資本)とは、アメリカの社会・政治学者であるロバート・パットナムが著書の中でまとめた概念で、世界中で急速に関心を集め、政治学や経済学、さらには社会疫学にわたるあらゆる分野で用いられています。

パットナムのソーシャル・キャピタル論は、世界で最も知られており、日本においても、ソーシャル・キャピタル論は、しばしば、パットナムのソーシャル・キャピタル概念を基礎に、共同体の再評価や、絆の概念として注目を集めています。

今回は、ソーシャルキャピタルという概念(日本語訳:社会関係資本)がどのようなものなのか、またそれが教育格差や貧困問題にどのような影響を与えているのかについて、まとめています。

目次

  1. ソーシャルキャピタルとは
  2. 社会関係資本が豊かな人・貧しい人
  3. 社会関係資本は教育格差を生むのか



ソーシャルキャピタルとは

ソーシャルキャピタルが意味するものは、簡単にいうと「社会問題に関わっていく自発的団体の多様さ」「社会全体の人間関係の豊かさ」を指します。

また、個人のソーシャルキャピタルに目を向けると、多くの友人と付き合うか、地域のスポーツクラブのような組織に属しているか、公の問題を討議できる団体に入っているか、近所の人と雑談するかなど「社会における付き合い」すべてを指します。

近年、このソーシャル・キャピタルの概念は、国際機関や欧米各国はじめ日本などにおいても広く注目されていて、様々な概念規定や研究が試みられています。

 

社会関係資本が豊かな人・貧しい人

個人の社会関係資本の豊かさは、どのようにして決定されるのでしょうか。子どもの社会関係資本が、親が所有する諸資本によってどの程度規定されているのかを明らかにした論文を参考に解説していきます。

参考論文 社会関係資本と学力

この論文では、親が所有する「経済資本」「文化資本」「社会関係資本」がどれほど子どもに継承されるのかについて、量的調査をしています。

これらの調査からわかったことは、「文化資本」「社会関係資本」を豊かに所有する親を持つ子どもは、豊かな「社会関係資本」を持つことです。

一方で、「経済資本」を豊かに所有する親を持つ子どもは、必ずしも「社会関係資本」を豊かに持つという相関がありませんでした。

つまり、自分の社会関係資本が豊かかどうかは、親が経済的に豊かかどうかは関係なく、親が所有する文化資本や社会関係資本の豊かさによってある程度規定されるのです。




社会関係資本は教育格差を生むのか

また、この論文では、上記の調査だけでなく、社会関係資本の貧富の差が、教育格差を生むのか、という調査も行なっています。

この調査からわかったことは、社会関係資本は、文化資本や経済資本とは独立した学力へのプラスの効果がある、ということです。そして、経済的にあまり豊かでない階層ほど、その社会関係資本の学力への効果は高まるということです。

フランスの社会学者ブルデューによると、社会関係資本を含む文化資本、経済資本は、親から子へ継承される、つまり貧富の差は継承されると論じています。

しかしながら、この論文からわかることは、社会的に不利な立場にある子どもの学力形成に 社会関係資本がある程度の意味を持つということです。

経済的・文化的資本に恵まれない子どもたちにとって、家族、仲間、地域の人々との豊かなつながりは、学力のセーフティ・ネットになりうるのです。

経済資本や文化資本は、独立して形成していくことが難しいですが、社会関係資本の場合、比較的形成するのが容易であるので、社会関係資本が貧困問題の解決への糸口の1つだと言うことができます。


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