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【要約】コモンズの悲劇とは?具体例を挙げながら、環境問題の解決策をわかりやすく説明

投稿日:2019-02-27 更新日:

コモンズの悲劇(共有地の悲劇)とは、アメリカの生物学者ギャレット・ハーディンが発表した、誰もが利用可能な共有の放牧地では、個人が自分の利益を最大化させるために家畜頭数を増加させる選択をし、その結果として放牧地が劣化し、全体として不利益を受けることを指します。

コモンズの悲劇の考え方は、この放牧地の例から転じて、さまざまな社会問題に置き換えられて考えられるようになりました。

今回はこのコモンズの悲劇をわかりやすく解説しながら、環境問題の解決策などをまとめています。

目次

1. コモンズの悲劇を簡単に

2. 身近な事例

3. 環境問題の解決策




1. コモンズの悲劇を簡単に

上記の牧草地の例をさらに噛み砕いて説明したいと思います。

共有地である牧草地で牛等を放牧するとします。もし、自分が所有している牧草地であれば、草が無くならないように牛の数を調整すると思います。なぜなら草が完全に食い尽くされると再生に時間がかかってしまうからです。

しかし共有地の場合、草は取れば取るほど自分の利益になるので、農民は、それぞれ牛の数をどんどん増加させる場合があります。

他の農民の施策に対して、自分も負けじと利益をどんどん大きくしようとして、牛の数を増加させてしまいます。

そのようにして、自分も利益を得たいのでどんどんと牛を増やし、それを見て他人も牛を増やす等の悪循環が生まれ、結果として牧草地から共有地の牧草地の草がなくなってしまい、自分の牛だけでなく、他の農民の牛も草を食べられなくなります。

そして草は完全に無くなり、共有地を利用する全員が牛を放牧できなくなってしまい、全員が不利益を被ることになります。これがコモンズの悲劇です。

また、コモンズの悲劇(共有地の悲劇)が起こる条件は、以下の2つです。

・共有地がオープンアクセスの場合

・共有地の資源が希少資源で枯渇する場合に尽くされてしまう場合




2. 身近な事例

コモンズの悲劇は身近に存在します。

例えば、ゴミのポイ捨て。街はみんなのもの(=オープンアクセス)であり、街の綺麗さは、希少資源と置き換えることができます。

1人がポイ捨てを始めると、周りの人たちもそれを見てポイ捨てするとします。すると、ポイ捨ては街中に広がり、街がゴミだらけになってしまいます。

このように、身近な例では、誰かが「自分一人くらい大丈夫」と余計に資源を使いはじめてしまうと、「だってあの人もやっているし」と共有者みんなに広がってしまいます。

その使いすぎの量が一人一人ではわずかなものであっても全体としては大きな使いすぎになってしまい、結果的に共有資源が使いつくされてしまうのです。

 

3. 環境問題の解決策

地球環境問題も、コモンズの悲劇を当てはめることができます。地球はみんなのものであるので、一人一人が空気、水、土壌を使いすぎることにより、環境が悪化してしまいます。

このような環境問題が発生した場合、どのようにすれば、解決に導くことができるのでしょうか。解決策は主に2つあります。

1. 規制する

コモンズの悲劇が引き起こす地球環境問題を解決するためには、政府が介入し、規制を設けるという方法があります。

例えば、大気汚染の場合、工場から排出される粉塵の量を制限したり、排出する場合に有害物質から無害化しなければならないなどの規制です。

2. 外部不経済の内部化

外部不経済とは、市場を通じて行われる経済活動の外側で発生する不利益が、個人や企業に悪い効果を与えることを指します。

中国のPM2.5問題を考えてみるとわかりやすいと思います。中国の経済活動で発生したPM2.5が日本へと流れてくることは、外部不経済だと言えます。

この外部不経済を内部化することで、このコモンズの悲劇は防ぐことができます。例えば、二酸化炭素排出において、排出取引や環境税の導入が進められています。

言い換えると、二酸化炭素排出に対して、コストがかかるように定めることにより、企業が利益を最大化しようと、コストを減らす、すなわち二酸化炭素排出を抑制しようと努力するのです。


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