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【要約】功利主義とは何か?例を用いて4つの特徴をわかりやすく簡単に解説

投稿日:2019-02-06 更新日:

功利主義とは、19世紀にイギリスで盛んになった考えで、それまで曖昧だった尺度を明確化するために、社会全体の幸福度が最大化するための行動指針と言えます。

ベンサムやJ.S.ミルはそれぞれ「功利主義」において議論し、考えを発表していますが、その共通する「功利主義」とは具体的にどのようなものなのか、有名なトロッコの例から4つの特徴をまとめています。

目次

・サンデルが話したトロッコの例

1. 帰結主義

2. 幸福主義

3. 最大多数の最大幸福

4. 公平性




・サンデルが話したトロッコの例

功利主義を説明する際に、サンデルが話したトロッコの例がよく用いられます。

上の写真のように、トロッコが暴走しています。もしあなたが何もしなければ、線路に縛りつけられていた5人はひき殺されます。

もしあなたが電車の線路のスイッチを切り替えて、トロッコを別の線路に引き入れれば五人は助かります。

ただし、別の線路には縛りつけられている人が1人だけいて、その1人がひき殺されることになります。あなたはスイッチを切り替えるべきなのでしょうか。

これを功利主義に基づいて考えると、どう考えるのでしょうか。 このトロッコの話に沿ながら、功利主義の4つの特徴を説明します。




1. 帰結主義

「帰結」=「結果」という意味です。功利主義では、行為を評価するのは、動機ではなく結果の方が重要であると考えます。

このトロッコの例では、「五人が死んでしまうのか一人が死ぬのか」ということに重きを置く必要があります。

 

2. 幸福主義

結果の良し悪しを決めるには、何らかの基準が必要です。功利主義では、その基準を人々に与える幸福が重要になります。

このトロッコの例では、「人が死なないこと」が幸福を満たすための優先事項になります。

 

3. 最大多数の最大幸福

功利主義の特徴として、最も有名なのが、「最大多数の最大幸福」=「全体の利益を最大化」がとても重要であるということです。

このトロッコの例では、1人を助けるよりも、5人を助ける方が幸福の量が多くなるので、そちらの選択が取られます。

 

4. 公平性

功利主義の最後の特徴として挙げられるのが「公平性」で、1人を1人として数えて誰も一人以上に数えないということです。

このトロッコの例では、もし1人の方が自分の友人や家族だったとしても、1人として公平に数えるので、5人の方を助けるということになります。

このように、1人の側が誰であっても、1人を犠牲にして5人を助け「社会全体の幸福度を最大化」を目指すのが、功利主義の考え方であるということができます。


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