スターバックスを代表とするシアトル系コーヒーチェーンの世界的進出によって、カフェラテなどのエスプレッソ系コーヒーがよく飲まれるようになりました。
実は、スタバーバックスはアメリカで生まれですが、エスプレッソはイタリアで誕生しています。そのイタリアのコーヒー・カフェ文化が一風変わっていて、奥深くとても興味深いです。
今回は、イタリアで誕生したエスプレッソの歴史から、イタリアのカフェ文化である「バール」を紹介し、最後に、さまざまなドリンクを紹介しています。
目次
1. エスプレッソの誕生
2. イタリア文化の中心”バール”とは
3. エスプレッソを使ったドリンク
1. エスプレッソの誕生
まず初めに、エスプレッソの歴史から見ていきたいと思います。その歴史の始まりは1800年代初頭にまで遡ります。
1806年に、ナポレオンがイギリスに対して発令した「大陸封鎖令」により、フランス植民地でのコーヒー豆が不足し、特にイタリアでは急激に不足しました。
そんな時に、ローマにある「カフェグレコ」の三代目オーナーであるサルヴィオーニが、コーヒーの量を減らして提供するというスタイル(デミタススタイルと呼ばれている)を確立し、エスプレッソの基礎が出来ました。
その後、1901年にベゼラ社の創始者であるルイジ・ベゼラが開発したエスプレッソマシンによって、エスプレッソが誕生しました。
文化は、人々が置かれている環境に対して、より良くするための知恵から形成されることがよくありますが、エスプレッソも同じようです。
エスプレッソはまだ誕生して100年程度しか経っていません。その理由の1つとして、エスプレッソマシンをご覧になるとわかるように、機械が複雑であるので、工学の知識や技術がないと作れなかったことが挙げられます。
2. イタリア文化の中心”バール”とは
次にイタリアのカフェ文化の中心である”バール”について、触れていきたいと思います。
バールとは、日本にバールに似たような飲食店がないため、表現が難しいのですが、一言で例えるとならば、「立ち飲み喫茶店」です。
イタリア人は出勤前、昼食後、仕事終わりと、頻繁に行きつけのバールを訪れエスプレッソを楽しむそうです。バールはイタリア全土で16万軒あると言われており、イタリア人の9割以上の人がバールを利用しているそうです。
また、エスプレッソを飲むだけでなく、16〜17世紀の知識人たちの情報交換の場としての名残りで、社交場としての役割を現在でも担っています。
バールはイタリア人の文化、そして生活の一部となって、支えており、暮らしを豊かにする機能も果たしているのです。イタリアに旅行した際は、お気に入りのバールを探してみてください。
3. エスプレッソを使ったドリンク
日本では、カフェやコーヒースタンドに行った際、エスプレッソとミルクを混ぜた飲み物は、「カフェラテ」で統一されていることが多いですが、イタリアではその割合で名前や楽しみ肩が異なります。
今回はイタリアでよく飲まれている、エスプレッソとミルクを使用したドリンクを割合別で何点か紹介します。
カフェ・マキアート
エスプレッソに少スチームミルク(蒸気で温めたミルク)を入れたもの。
・エスプレッソ:60%
・スチームミルク:40%
日本で本格的なマキアートを出しているお店は、ほとんどありません。なぜならコーヒーが強すぎて、受け入れられないからです。コーヒー豆の発祥の地、エチオピアでは好まれてマキアートが飲まれています。
カプチーノ
エスプレッソにスチームドミルクとフォームドミルクを入れ、シナモンを少々振ったもの。
・エスプレッソ:30%
・スチームミルク:30%
・フォームドミルク:40%
・シナモン:少々
フォームミルクが多いため、口あたりがふわっとしているのが特徴です。
カフェ・モカ
エスプレッソにスチームミルクとモカシロップを加えたアレンジ。
・エスプレッソ:20%
・スチームミルク:70%
・モカシロップ:10%
カフェラテ
エスプレッソに多量のスチームドミルクを注いだもの。
・エスプレッソ:20%
・スチームミルク:80%
最も日本で親しまれていエスプレッソドリンクです。