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無差別大量殺人を引き起こす6つの要因とは?アメリカ犯罪心理学者レヴィン・フォックスから学ぶ

投稿日:2019-05-30 更新日:

2018年6月に発生した走行中の東海道新幹線車内で男女3人が刃物で襲われ男性1人が死亡した事件や、2019年5月に発生した神奈川県川崎市の登戸駅付近で、小学生16人を含む18人が刺される事件など、無差別殺人のニュースが世間を震撼させています。

近年、なぜこのような残虐な無差別殺人が増加してきているのでしょうか。今回は、無差別殺人を実行する犯人の理由や要因を、アメリカの犯罪心理学者レヴィンとフォックスの発表した論文から解説していきたいと思います。




無差別大量殺人を引き起こす6つの要因・理由

アメリカの犯罪心理学者レヴィンとフォックスは「大量殺人の心理・社会分析」の中で大量殺
人を引き起こす6つの要因をあげています。この6の要因が積み重なり、さらに、憎悪と復讐、拡大自殺という要因も加わったとき、無差別大量殺人が起こります。

目次

(A)素因(心の要因)
①長期間にわたる欲求不満
②他責的傾向

(B)促進要因(事件を後押しする出来事)
③破滅的な喪失
④外部のきっかけ

(C)容易要因(事件を起こし易くする要因)
⑤社会的、心理的な孤立
⑥大量破壊のための武器の入手

(A)素因

①長期間にわたる欲求不満

欲求不満というものは誰でも持つものですが、それが幼少期からの長い期間に積もり積もってしまうと、無差別大量殺人の要因の1つになってしまいます。

「理想(イメージ)の自分」と「現実の自分」との間にあまりにもギャップがある場合、
低い自己評価しか持てず、欲求不満が続きます。

このギャップは思春期に見られますが、そこから成熟して大人になるということは、ある意味では自己愛の傷つきの積み重ね、つまり誇大的な自己イメージを喪失していく「断念」の過程があるのです。

しかし、大量殺人犯達には、その過程がなく、彼等は、自己愛イメージと現実の自分との
ギャップに直面すると、悩んだり、落ち込んだり、努力して現実の自分を引き上げようと
したりせず、手っ取り早く乗り越えようとします。

結果として、彼らは、手っ取り早く乗り越えようとして、他人に責任を転嫁しようとするのです。

②他責的傾向

上記で述べたように、欲求不満が強いほど、自分の人生がうまくいかないのを他の誰かのせいにする他責的傾向も強くなりやすいです。

何でも他人のせいにする人ほど、復讐願望が強く、社会に復讐するために無差別殺人を起こす危険性が高いです。したがって、無差別殺人犯には往々にして強い他責的傾向が見られるのです。




(B)促進要因

③破滅的な喪失

長期にわたる欲求不満と他責的傾向という二つの素因があるところに、ある種の出来事や
状況が加わると、それが引き金となって、爆発的な怒りを急に引き起こすことになり、それが破滅的な喪失です。

どんな無差別大量殺人事件の犯人でも、彼らにとって、何かしら大きな出来事があり、破滅的な喪失として、受け止め、これらの出来事が促進要因として作用するのです。何が破滅的な喪失になるかは、個人の置かれている状況などによって、異なります。

④外部のきっかけ

外部のきっかけとしてとくに重要なのは、いわゆる「コピーキャット(copycat)」と呼ばれるもの、つまり他の事件の模倣です。 過去の事件に触発され、模倣するのです。

つまり、近年ますます無差別殺人が増えているのは、模倣することができる事件が増えてきているからとも言えます。無差別殺人は加速度的に増加する可能性があるのです。




(C)容易にする要因

⑤社会的、心理的な孤立

大量殺人を引き起こす犯人の多くは孤独者が多いです。独身で恋人がいない、結婚したが離婚した、親しい友人がいない、親兄弟がいないという人が多いです

孤立する原因はさまざまな考えられますが、自己愛が強い、他責的であるという性格であると、なかなか人と良好な関係は築きにくいとも言えます。

⑥大量破壊のための武器の入手

アメリカの学者なので拳銃の入手しやすいということでこの項目があるということですが、車やナイフなど、大量殺人のための武器は、日本においても容易に入手できるので、これを防ぐことは難しいと考えられます。

これら6つの要因が重なってしまうと、無差別大量殺人を引き起こしやすい傾向が生まれます。武器の入手を防ぐことは難しいですが、引きこもりなどの社会的孤立など、対策できるところは、地域が協力して解決していくべき課題であると、再認識することができます。


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