日本でコーヒーを提供する場所が年々増えており、都市部だけでなく地方でもスターバックスコーヒーなどのチェーン店や個人経営の喫茶店やコーヒースタンドなどを見かける機会が多くなりました。
そのような場所でよく見かけるようになったのが「アラビカ100%」という文字です。一見「アラビカ100%」の看板をみると、高級なコーヒー豆や品質の良いコーヒーを100%使っているんだなと、イメージされると思います。
しかし、実際のところ、「アラビカ100%」=「品質の良い豆100%」と定めることはできないのです。今回はアラビカ100%がどのような意味を表しているのか解説しています。
目次
1. コーヒー豆の60%はアラビカ種
2. ロブスタ種はインスタントに
3. アラビカ種の中にも多くの種類
4. スペシャリティコーヒーとは
1. コーヒー豆の60%はアラビカ種
アラビカ種と聞くと、一部の消費者の中では、希少な豆とイメージされがちですが、実はアラビカ種のコーヒー豆は、全コーヒー豆生産量の60%を占めています。残りの40%はロブスタ種というコーヒー豆です。
そのため、アラビカ種のコーヒー豆は希少ではなく、コーヒー豆の過半数を占めるコーヒー豆と言うことができます。つまり「アラビカ種」=「希少種」というのは勘違いなんですね。
実際、日本のカフェやコーヒー専門店で提供されるコーヒーのほとんどが、アラビカ種なんです。
そのアラビカ種の特徴としては、栽培条件が厳しくて、病気にも弱いので、栽培するのに手間がかかります。しかし、その引き換えとして、風味と味わいが豊かで美味しいのが特徴です。
一方で、全コーヒー豆の生産量の40%を占めるロブスタ種とはどういう豆なのでしょうか。
2. ロブスタ種はインスタントに
ロブスタ種の特徴としては、アラビカ種と対照的に、栽培条件が易しく、病気にも強い品種です。一方で風味や味わいは、苦味が強く渋みがあり、香りは麦茶に似たこうばしい香りがあります。さらに、アラビカ種より安価です。
そのため、ロブスタ種は、インスタントコーヒーや缶コーヒー、リキッドタイプのアイスコーヒー、水出しコーヒーバッグにもよく使用されます。
カフェでロブスタ種ではなく、アラビカ種が提供されるのは、コーヒー豆の特徴から必然であるとも言うことができますね。
3. アラビカ種の中にも多くの種類
みなさんがよく耳にするコーヒー豆の種類、例えば、モカ、マンデリン、ハワイコナ、ゲイシャなどの品種は、アラビカ種の中で分類されるものなのです。
有名な品種のほとんどがアラビカ種であり、200種類以上あると言われています。
4. スペシャリティコーヒーとは
アラビカ種の中でも、特に優れていると分類されているのが、スペシャリティコーヒーと呼ばれるものです。
スペシャリティコーヒーとは、コーヒーの豆の栽培から輸送、そしてカップまでのすべての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底しているコーヒー豆を指します。
一度スペシャリティコーヒーを飲まれた方は、その芳醇でフルーティな味わいに驚かれる方も少なくありません。スペシャリティコーヒーは全コーヒー豆生産量の5%程度と言われています。
そのため、「アラビカ100%」ではなく、「スペシャリティコーヒー100%」と表記があった場合、本当に良質なコーヒー豆を使っているのだと、認識することができるでしょう。