日本にコーヒー文化が上陸してから半世紀以上が経ち、時代の流れとともに、コーヒー文化も変遷してきました。その中でコーヒー豆の扱われ方も変わってきています。
今回は、コーヒー豆の中でも、こだわりを持って生産された「スペシャリティコーヒー」について、普通のコーヒーとの違いなど、バリスタであり、ライターである私が解説します。
目次
スペシャリティコーヒーの定義
スペシャリティコーヒーの割合
普通のコーヒーとの違い
スペシャリティコーヒーの定義
まずは、一般社団法人であり、スペシャルティコーヒーに対する日本の消費者および世界のコーヒー生産者の認識を高め理解を深める活動を行なっている日本スペシャリティコーヒーの定める定義を確認します。
消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。
風味の素晴らしいコーヒーの美味しさとは、際立つ印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこと。
カップの中の風味が素晴らしい美味しさであるためには、コーヒーの豆(種子)からカップまでの総ての段階において一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須である。
(SCAJ協会HPより一部抜粋)
これに加えて、スペシャリティコーヒーに認定されるには、国際審査員が行うスコアシートに基づく評価によって、80点以上の点数を獲得する必要があります。
これらをまとめると、スペシャリティコーヒーとは、製造工程が徹底的に管理され、風味豊かな美味しさであり、国際審査員に認められたコーヒー豆を指します。
スペシャリティコーヒーの割合
日本で消費されるコーヒー豆におけるスペシャリティコーヒーの割合のデータは複数ありますが、それらを平均すると、割合は5%であると言えます。
スペシャリティコーヒーの割合は年々増えてきており、コーヒー豆に強いこだわりを持つ消費者が増えてきていることが伺えます。
普通のコーヒーとの違い
スペシャリティコーヒーは、定義にもあるように、生産工程が徹底管理され、風味豊かなコーヒーなので、普通のコーヒーとは比べ物にならないほど、飲むと口にコーヒー本来の豊かな味わいが広がります。
価格や飲み方など、もう少し細分化した点で、スペシャリティコーヒーと普通のコーヒーの違いを明らかにしたいと思います。
1杯あたりの価格
スペシャリティ:500円
普通のコーヒー:300円
値段に関して比較すると、圧倒的に普通のコーヒーの方が安くなります。その理由として、徹底管理されている分、スペシャリティコーヒーの豆の値段の方が、高価になるからです。
また、スペシャリティコーヒーの場合、その多くは人の手によって、一杯一杯丁寧に抽出するので、人件費がその分多くかかるという側面もあります。
焙煎度
スペシャリティ:浅〜深煎り
普通のコーヒー:深煎り
もちろん普通のコーヒーでも、浅煎りや中煎りにする豆もありますが、その割合は少ないです。その理由をとして、日本人が飲み慣れているということもありますが、深煎りにすることにより、品質の悪い豆もある程度飲みやすくなるためです。
その一方で、スペシャリティコーヒーに浅煎りや中煎りが比較的多い理由として、豆本来の味や風味を活かすために、煎りすぎない傾向にあると言えます。
オリジン
スペシャリティ:シングル
普通のコーヒー:ブレンド
普通のコーヒーの場合、味のバランスを取ったり、安い豆を混ぜるなどして、原価をやすくしたりするため、コーヒー豆をブレンドすることが多いです。
一方で、スペシャリティコーヒーの場合、1つ1つの豆の種類の特徴を楽しむため、ブレンドせずに単一の豆だけで飲むシングルオリジンコーヒーが比較的多いです。