スポーツツーリズムとは、世界観光機構(WTO)の定義によると、スポーツやスポーツイベントへの参加・観戦・応援を主目的として目的地を訪れ、少なくても24時間以上その目的地に滞在する旅行を指します。
「エコツーリズム」や「グリーンツーリズム」など、さまざまな種類のツーリズムの中で、旅行産業として大きな効果が期待できるモノの1つがスポーツツーリズムなのです。
今回は、このスポーツツーリズムの種類や、そこから発生する効果についてまとめています。
目次
1. スポーツツーリズムの種類
2. スポーツツーリズムの可能性
3. まとめ
1. スポーツツーリズムの種類
スポーツツーリズムには、いくつかの種類に分けることができます。1つずつ説明していきます。
参加型スポーツツーリズム
参加型スポーツツーリズムとは、文字通り観光客となる者がスポーツに参加する種類のツーリズムです。この参加型スポーツツーリズムはさらに2つに分類することができます。
競技志向
マラソン大会などのスポーツ大会に選手として参加する競技志向のツーリズムです。
ホノルルマラソンなどの数万人規模のランナーが集うイベントから、インターハイ、インカレなどの多くのアマチュア世界大会まで幅広いです。
レクレーション志向
マリンスポーツやスキー、キャンプ、ハイキングなどのレジャー志向で楽しむための参加型スポーツツーリズムです。
観戦型スポーツツーリズム
観戦型スポーツツーリズムとは、自分自身はスポーツに参加しませんが、サッカーなどのスポーツ観戦を行うことを目的としたツーリズムです。
海外で活躍するトップアスリートの増加に伴い、世界中の多くのツーリストを引き付けるオリンピックやFIFAサッカーW杯のような世界的スポーツイベントが、この観戦型ツーリズムを加速させています。
スポーツインフラ訪問型
スポーツが行われた会場、アリーナやスタジアムを訪問するツーリズムです。
一部のアリーナやスタジアムでは、その会場に付随するクラブチームの歴史を展示する博物館として、ツーリストを引き付けるものとなっています。
2. スポーツツーリズムの効果
スポーツツーリズムは、観光立国推進基本法における観光立国推進基本計画の観光立国の実現に向けての目標について、いくつかの効果を期待することができます。
訪日外国人旅行者の増加
これまでの日本のインバウンド事業に加えて、スポーツという新たなテーマを設けることにより、訪日外国人旅行者が日本に訪れるきっかけの増加が期待できます。
国際イベントの開催件数増加
オリンピックやサッカーW杯などの一大イベントや、中小規模のスポーツイベントを積極的に開催することによって、国際イベントの開催件数増加を期待することができます。
国内観光旅行の消費額増加
プロ野球やJリーグをはじめとした観戦型スポーツツーリズムや、それぞれの地域を舞台に自然を楽しむサイクリングなどの参加型ツーリズムなどの新たな旅行行動を歓喜して、消費額の増加が期待できます。
3. まとめ
このように、スポーツツーリズムは既存の観光事業と、スポーツ事業を組み合わせることにより、今までになかったニーズの創出やシナジー効果が期待できます。
これからさらに観光のニーズが多様化していく中で、スポーツツーリズムは注目すべきツーリズムの1つだと言うことができます。