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【経営社会学】官僚制の逆機能とは?日本の大企業の閉塞感はここから生まれている

投稿日:2019-02-26 更新日:

官僚制の逆機能とは、アメリカの社会学者ロバート・キング・マートンにより指摘された、合理的な管理・支配の制度であるはずの官僚制には、人間性に対する配慮が欠けている理由から引き起こされる、さまざまな予期せぬマイナスの効果を指します。

今回は、マックス・ヴェーバーが提唱した官僚制の順機能(良い点)とマートンが批判した逆機能(悪い点)をまとめています。また、この官僚制の逆機能は、大企業病とも言われています。

目次

1. 官僚制の順機能

2. 官僚制の逆機能




1. 官僚制の順機能

ドイツの社会学者マックス・ヴェーバー(Max Weber)は、組織論における官僚制を提唱しました。近代国家や資本主義、軍隊などは合理的な官僚制になっていて、以下の3つの原則があります。

標準化:抽象的・一般的な規則に基づいて職務が遂行される

階層性:権限のヒエラルキーが明確になっている

没人格性:支配者も服従者も非人格的な秩序に服従し、制定された規則の範囲内で命令と服従がなされる

これらの3つを噛み砕いて、わかりやく言い換えると、以下のように言い換えることができます。

標準化:誰が何をするかを明確に決め、そのルールを守られる

階層化:誰が偉くて権力を持っているのかはっきりしている

没人格性:それぞれの行動は機械的に誰でもできるようにする

これらの原則を守ることで、非常に効率的な組織を作ることができるというのが、ヴェーバーの主張でした。

これに対して、いき過ぎた官僚制にはデメリット(逆機能)があるという批判をしたのが、マートンでした。




2. 官僚制の逆機能

官僚制の逆機能には、以下のようなものが挙げられます。

・規則万能
・責任回避・自己保身
・秘密主義
・前例主義による保守的傾向
・画一的傾向
・権威主義的傾向
・繁文縟礼
・セクショナリズム

1つずつ簡単にその意味を説明します。

・規則万能

ルールにないようなことはできないとする態度のことを指します。規則に示されていないから、上司に聞かなければわからないという状態になり、自分で考えることをしなくなります。

あまりにも規則や手続きを遵守しようとする態度が、規則や手続きそのものを絶対視するような態度へと変化し、本来は手段にすぎない規則や手続きが、目的へと変わってしまうことです。

・責任回避

できるだけ責任を負わないように保守的になり、規則に従ったり、上司に確認するなどして、自分で責任を持った判断をしなくなります。

・秘密主義

情報をオープンにすることを避けます。

・前例主義による保守的傾向

先例がないからという理由で新しいことを回避し、先例と同じように行動しようとします

・画一的傾向

画一的とは、何もかも一様で、個性や特徴のないことを表します。つまり、官僚制の仕事ぶりは、融通がきかないとか、個々の事情を考慮しません。

・権威主義的傾向

権威を絶対的なものとして重視する考え方です。権威をたてにとって思考・行動したり、権威に対して盲目的に服従したりする傾向を指します。

・繁文縟礼(はんぶんじょくれい)

繁文縟礼とは、例えば、役所への許可申請などでは膨大な書頬の作成と煩雑な手続きが煩わしいことを指します。

これは、担当する職員によって、対応にバラつきが生じないように事務処理の手続きが詳細に定められており、また正確な記録を残すという観点などから一連の手続きはすべて文書によるものとされているからです。

しかし、これが転じて、職員は書類を作り、保存すること自体が仕事と化してしまい、その書類が本当に必要であるかどうかは考慮されなくなります。

・セクショナリズム

組織全体の利益よりも自分の所属する部局の利益を優先したり、自分の担当以外の仕事には一切関心を示そうとしないような行動様式を指します。

また、部署間にまたがるような案件が生じたとき、できるだけ自分の担当ではないことを主張し、いわゆる「たらいまわし」にして面倒な仕事から逃れようとする傾向があります。

以上のことから、官僚制には限界があることがわかります。これからの時代、このような体制では非効率かつ外部との競争に遅れてしまう可能性があるので、いち早く改善する必要があるでしょう。

また、このような体制では、本当に優秀な人材が埋もれてしまう、または組織から出て行ってしまう可能性も考えられます。


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