コーヒーにこだわりを持っているカフェやコーヒースタンドに訪れた際に、コーヒー豆の説明欄に「深煎り」「中煎り」「浅煎り」などのラベルを一度は見かけたことがあると思います。
ワインを作る際に多くの工程があるように、コーヒー豆にも多くの工程があります。「深煎り」や「浅煎り」を決定するのは、「焙煎」という工程です。
今回は、焙煎度合いによって異なるコーヒー豆を、味や特徴、カフェインやポリフェノールなどの健康面の違いをバリスタであり、ライターである私が解説したいと思います。
目次
1. そもそも焙煎とは?
2. 味や特徴の違い
3. 使われるお店の違い
4. カフェイン量
5. ポリフェノール量
1. そもそも焙煎とは?
焙煎(ロースト)とは、コーヒーの生豆を炒る加熱作業のことです。焙煎時間やかけ方によって、コーヒー豆は、浅煎り、中煎り、深煎りといった呼び名に違いが出ます。
焙煎前
↓
焙煎後
2. 味や特徴の違い
同じコーヒー豆でも、焙煎度の違いにより、味や風味にも違いが出ます。「深煎り」と「浅煎り」味や特徴について簡単にまとめました。
・深煎り
ーコクがある
ー苦味がある
ー香ばしい風味
ー煎り過ぎは豆本来の風味を失う
ー品質の悪い豆でもある程度の味になる
・浅煎り
ースッキリしている
ー酸味がある
ー豆本来のフルーティな風味
ー品質が悪ければ、ひどい味になる
3. 使われるお店の違い
最近までは、深煎りのコーヒー豆が主流でした。特に日本に昔からある喫茶店やスターバックスコーヒーなどの大手コーヒーチェーン店では、ほとんど深煎りの豆が使われています。
その理由として、輸送技術などが発達していなかった時代には、豆の品質保持が難しく、深煎りしか選択肢がなかったため、日本人が深煎りのコーヒーを飲み慣れていることが挙げられます。
しかし、近年では世界的に浅煎りのコーヒー豆が流行しています。この流れは、サードウェーブと呼ばれています。
4. カフェイン量
ここからは健康面を見ていきます。お子さんや妊婦の方にとって、カフェイン量は特に気になる点だと思います。実際のところ、深煎りと浅煎りのコーヒー豆のカフェイン量に差はあまりありません。
厳密に言うと、浅煎りの豆の方が、カフェイン量は多いです。しかし、深煎りの豆は水分が多く飛ばされ、1粒あたりの重さは軽くなります。
結果的に、コーヒー1杯に使う豆の量は深煎りの方が多くなるため、カップあたりのカフェイン量は同じくらいになるのです。
5. ポリフェノール量
次に、動脈硬化や生活習慣病に効果があるポリフェノールの量を見ていきます。
コーヒーに含まれるポリフェノールであるクロロゲン酸は生豆に多く含まれています。焙煎して熱を加えることによって、その含有量はだんだん低くなります。
このことから、浅煎りの方がポリフェノールの含有量は多くなります。この面から言うと、浅煎りのコーヒーの方が健康効果があると言えます。