地域おこし協力隊は、全国の過疎化が進む自治体で、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度ですが、隊員の働き方は、地方自治体によって様々です。
今回は、地域おこし協力隊の雇用形態や副業の可否、そしてややこしい健康保険や雇用保険などについて、わかりやすくまとめています。
目次
- 雇用形態は大きく分けて2種類
- 健康保険・年金・雇用保険
- 副業はOK?それとも禁止?
- 結局どちらが良いのか?
雇用形態は大きく分けて2種類
地域おこし協力隊は、募集によってさまざまな職種や業務がありますが、雇用形態としては、大きく2つに分けることができます。
その2つとは、自治体と雇用契約を結ぶ「非常勤職員(臨時職員)」と自治体から委嘱を受ける「個人事業主(フリーランス)」という雇用形態です。
委嘱(いしょく)…一定期間、特定の仕事を任せること。
非常勤職員か個人事業主かの見分け方は、それぞれ地方自治体が地域おこし協力隊の募集する時に出している「募集要項」を見るとすぐにわかります。
非常勤職員の場合↓
個人事業主の場合↓
では、「非常勤職員」か「個人事業主」の違いには、どのようなものがあるのでしょうか。
健康保険・年金・雇用保険
非常勤職員の場合
非常勤職員の場合、地方自治体と雇用契約があるので、地域おこし協力隊という名目で採用されましたが、自治体の職員ということになります。
そのため、健康保険は地方自治体で加入することができ、行政が半分負担してくれるので、残りを天引きで払うことになります。
また、雇用保険にも入ることになるため、もし失業した場合に、失業手当を受けることができ、一般的な職業と同様に雇用が守られている状態にあります。
個人事業主の場合
個人事業主の場合、地方自治体と雇用契約がないので、地域おこし協力隊という名目で採用されていますが、自治体から仕事をもらうだけであって、一個人としての活動ということになります。
そのため、自らが国民健康保険や国民年金を支払う必要があります。また、その仕事を失ったとしても、雇用保険の加入がないので、失業手当を受けることができません。
これだけ見ると、雇用契約のある非常勤職員の方が、待遇が良いように見えますが、実際のところどうなのでしょうか。他の項目も見ていきます。
副業はOK?それとも禁止?
非常勤職員の場合
非常勤職員の場合、各種保険料を行政に払ってもらっており、扱いも行政職員となるため、基本的には副業禁止です。
また、勤怠管理も行政職員と同じように扱われるため、役所などでタイムカードを押す必要があるので、時間的拘束があり、副業を許可されたとしても、始めにくい環境です。
個人事業主の場合
個人事業主の場合、地方自治体との雇用関係がないため、タイムカードなどの出勤管理がなく、毎日の地域おこし活動を月末申告し、それをもとに報償費を頂きます。
そのため、時間的自由が高いため、もちろん副業はOKでかつ、副業を行いやすい環境であると言えます。
結局どちらが良いのか?
上記で見てきたように、非常勤職員も個人事業主も一長一短です。そのため、個人それぞれが目指している目標やライフスタイルの在り方で決めるのが良いです。
ただ、どちらも任期が3年までという期限があるので、任期終了後にどのような職に就くのかについて、考えながら行動するのがとても重要です。
例えば、非常勤職員の場合は、そのまま行政に勤めるために試験勉強しておくのか、または地元の企業に就職するために、コンタクトを取っておくのか行動できます。
また、個人事業主の場合、任期中でも起業することができるので、地域おこし協力隊の任期終了時には、自らの事業で自立して生活できる状態を目指すことが望まれます。