フェルディナント・テンニース(Ferdinand Tönnies)は、ドイツの社会学者で、共同体における「ゲマインシャフト」と「ゲゼルシャフト」の社会進化論を提唱したことで有名です。
今回は、この2つの違いと、現代における流れをわかりやすく簡単にまとめています。
ゲマインシャフト
ゲマインシャフト(Gemeinschaft)とは、家族集団、仲間集団、地域集団などの地縁や血縁に基づいて自然に成立している集団のことを指します。
ゲマインシャフトは、基礎集団とも呼ばれ、その名前の通り、近代以前から存在していたと言うことができます。
ゲゼルシャフト
ゲゼルシャフト(Gesellschaft) とは、教育機能に特化した学校組織や生産機能に特化した企業組織など、特定の目標の達成のために人為的に創られた集団を指します。
ゲゼルシャフトは、機能集団とも呼ばれ、近代によって、重要度が上がってきたと言われています。
両者の違い
テンニースによると、ゲマインシャフトがさまざまに分離する可能性がありながらも、根本的なところで結合しているのとは対照的に、ゲゼルシャフトはいかなる結合を見せたとしても、結局は分離していると言います。
また、近代化によって、ゲマインシャフトではなく、ゲゼルシャフトの重要性が際立ってきています。しかし、テンニースによると、ゲマインシャフトの力は、消滅しつつあるとはいえ、なおゲゼルシャフト時代にも保たれており、依然として社会生活の実体をなしていると、主張しています。