エコーチェンバー効果とは、自分と同じ意見があらゆる方向から返ってくるような閉じたコミュニティで、同じ意見の人々とのコミュニケーションを繰り返すことによって、自分の意見が増幅・強化される現象を指します。
目次
- エコーチェンバー効果とは?
- SNSでの事例
- 陥らないための対策
エコーチェンバー効果とは?
ソーシャルネットワークサービス(以下SNS)は、多様な人々と異質な情報が結びつくことを可能にすることで、機会創出や価値創造を促すプラットフォームとしての役割を期待されてきました。
しかしながら、そのSNSが、人々が生来的にもつ同類原理 (類は友を呼ぶ傾向)や確証バイアス(信じたいものだけを信じる傾向)を強化してしまい、情報の同質化や社会的分離をむしろ助長しているという社会問題が顕在化してきています。
その典型例が「エコーチェンバー効果」です。エコーチェンバー化した状態では、同じ意見の人々が集結し同質の情報が反響・増幅され、異なる意見に触れる機会を失ってしまうリスクがあるのです。
この「エコーチェンバー」の内部では、「エコーチェンバー」内の「公式見解」には疑問が一切投げかけられず、増幅・強化されて反響し続けます。
一方で、それと異なったり対立したりする見解は検閲・禁止されるか、そこまでならないとしても目立たない形でしか提示されず、すぐにかき消されてしまいます。
そうするうち、たとえエコーチェンバーの外から見た場合にどんなにおかしいことでも、それが正しいことだとみんなが信じてしまうのです。
SNSでの事例
SNSなどのオンライン上で生じるエコーチェンバー効果は、同じような考えを持った人々の集団の一人一人が、個々人が、狭い視野で特定の考えしか持てなくなっている状態から始まります。
インターネット上には、自分との考えとよく似た、あるいは自分が賛同できるような特定の見解をすぐに探し出して、スマホで1回タッチするだけで「いいね!」したり「リツイート」したり、「フォロー」することができるシステムがあります。
そのため、インターネット上で情報を検索する人は、そういう書き込みをした、自分と同じような興味・考え方の人との間で情報をやり取りすることになりやすいです。
そういう人たちが寄り集まることで最終的に形成されるオンライン・コミュニティが「インターネットにおけるエコーチェンバー」となるのです。
陥らないための対策
エコーチェンバー現象に陥らないためには、確証バイアスに陥らないような対策をすれば、回避することができるかもしれません。
人間は自分の考えが正しいか否かを検証する際に、自分の考えを証明する証拠ばかりを探してしまい、反証情報に注目しない傾向が強いです。これは確証バイアスと呼ばれています。
確証バイアスを回避するためには、自分の意見とは違う、反証情報に注目するという手段をと取るのが最も有効であると言われています。
つまり、ある情報が正しいかどうかを確認する場合には、反証情報を先に調べればよいのです。自分と同じ意見や、それを証明する情報を調べるのはその後でも良いのです。