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相対的貧困と絶対的貧困の違いとは?日本の現状や問題点をわかりやすく解説

投稿日:2019-02-26 更新日:

2015年9月に国連サミットにおいて、SDGs(持続可能な開発目標)が採択されましたが、1つ目の目標には、「貧困」が定められています。これほど、世界的にも貧困問題に対する意識が高いということが伺えます。

一方で、日本の貧困問題は深刻であり、世界第3位の経済大国でありながら、6-7人に1人は貧困であり、1人親家庭に限定すると、半数以上が貧困であることが明らかになっています。

この貧困を定義するには、2つの定義があります。それは、相対的貧困と絶対的貧困の2つです。今回はこの2つの違いについてまとめています。

目次

1. 絶対的貧困とは

2. 相対的貧困とは

3. 相対的貧困の問題点




1. 絶対的貧困とは

絶対的貧困とは、一般的に世界銀行によって定義されており、購買力平価換算で1日あたりの生活費1.25ドル未満で生活している人を指します。

この基準によると、世界では1日1.25ドル未満で生活する人々が2005年で約14億人、世界の4人に1人が絶対的貧困層に該当するとされています。

テレビなどで取り上げられるアフリカの飢餓で苦しむ子どもたちや、親のいないストリートチルドレンなどがこれに当たります。

一方、日本を含め、先進国では絶対的貧困層はほぼいないとされています。

 

2. 相対的貧困とは

相対的貧困とは、一般的にOECDで定義されており、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人数の平方根で割って算出)が全人口の中央値の50%未満の世帯員を相対的貧困者を指します。

簡単に言い換えると、手取り所得が、その国や地域の平均の半分以下である人のことを指します。

文頭で述べた日本の貧困は、相対的貧困のことを指し、日本人の6-7人に1人が当てはまるとされています。




3. 相対的貧困の問題点

絶対的貧困は、生活者の命に関わる問題であり、問題点も明確で、人々の関心も高く、たびたびメディアなどで取り上げられます。

一方で、相対的貧困はなかなかメディアに取り上げられず、人々の問題意識も低いです。しかし実際のところ、相対的貧困もいち早く解決すべき社会問題なのです。

問題点1 外見ではわからない

相対的貧困が6-7人にいるということは、地域差はあるものの、小学校の1クラス30人の中に4-5人は貧困者がいるということになります。

学校のクラスを思い浮かべるとわかるように、相対的貧困者はほとんどの場合、見た目では判断することができません。この見えにくさが、問題が解決されにくい理由の1つなのです。

問題点2 社会から疎外される

最低限の生活をするのには、なんとかしていけるとしても、何かイベントがあった時、例えば、中高生であれば修学旅行に行けないことなどが発生します。

これをきっかけにして、仲間の輪から外されたり、いじめにあったりする可能性が出てきます。この経験から、本人はだんだんと社会から距離を置き始める可能性すらあります。

また、彼らは、自分だけ周りと違うことに対して、精神的にもかなりダメージを受けることになり、それは大人になった時にも影響します。

問題点3 国家として不安定になる

これまでは、個人レベルの問題点を見てきましたが、少し視野を広げてみると、国家レベルでの問題になると言えます。

ある程度の格差であれば、それが個人や社会にとっても活力の源泉となり得ますが、あまりにも行き過ぎた格差は、彼らに対して失望を与え、活力を奪います。

このことから、社会を良くしようとする人が減ったり、テロや無差別殺人などの温床になる可能性があるのです。

問題点4 貧困は再生産される

さまざまなデータにより、貧困は、次の世代にも受け継がれるということが明らかになっています。つまり、貧困が再生産されるということです。

資本家の子どもは資本家に、貧困層の子どもは貧困層に、これが現在の日本社会の現実です。言い換えると、平等にチャンスが与えられていないと言えます。

このように、絶対的貧困だけでなく、日本における貧困、相対的貧困も多くの問題を抱えていることがわかりました。

1人1人が問題意識を持ち、子どもの貧困を社会の問題としてしっかりと認知すること、NPOなどが行なっている活動などに関心を抱くことが、解決するために最初の一歩であると言えます。


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