日本のコーヒー文化の発展によって、カフェやコンビニ、インスタントコーヒーなど至る所で、コーヒーを手に入れるようになりました。
一方で、コーヒーに含まれるカフェインの過剰摂取で、命を落とされた方もいらっしゃいます。用法を間違えると、危険にさらされる恐れもあるということです。
今回は、コーヒーの致死量を解説するとともに、カフェイン中毒の危険性を医学論文を参考にまとめています。
目次
1. カフェインによる死亡事故
2. コーヒーの致死量
3. カフェイン中毒の危険性
1. カフェインによる死亡事故
カフェイン中毒による死亡事故は稀にメディアによって、取り上げられることがありますが、今回は日本で起きた事件を1つ取り上げます。
福岡市の事件
2015年12月に、福岡市のガソリンスタンドに勤務する20代男性がカフェイン中毒によって死亡した事件は、大手の新聞などでも報道されました。
男性は深夜から早朝までの勤務で、眠気覚ましとして、エナジードリンクを大量摂取した上に、カフェインの錠剤も摂取していました。
このように、コーヒーにも含まれるカフェインによって、命を落とされた方がいらっしゃいます。日本だけでなく、アメリカでも同様の事件が起きていると報道されています。
2. コーヒーの致死量
それでは一体、コーヒーの致死量はどれくらいなのでしょうか。致死量とは、この量を超えたら死亡する、という量を指します。
さまざまな論文を参考にすると、カフェインの致死量は5000mg(=5g)と考えられます。またこれは一般的な値ですので、人によっては、1000mgで致死量に達する場合も考えられます。
この5000mgという量は、コーヒー何杯分に相当するのでしょうか。コーヒーは平均的に100mlあたり50mgのカフェインが含まれています。
つまり、一般的なコーヒーチェーン店のトールサイズが350mlであるので、1杯あたりのカフェイン量は、175mgと計算することができます。
このことから、コーヒーで致死量に達するのは、10リットルで、トールサイズ28.5杯だと結論づけることができます。
この数値を見ると、コーヒーによって、死に至る可能性はほぼないと、思いがちですが、カフェインが含まれる食品は、コーヒーだけでないことに注意していただきたいです。
3. カフェイン中毒の危険性
コーヒー以外にカフェインが含まれるもので、日本人に馴染みが深いものは、緑茶、コーラ、エナジードリンク、カフェイン剤が挙げられます。それぞれのカフェイン量は以下の通りです。
緑茶100ml…20mg
コーラ100ml…5mg
エナジードリンク100ml…40mg
カフェイン剤1錠…200mg
このように、カフェインはコーヒーだけでなく、さまざまな食品に含まれているために、併用での、カフェイン中毒が十分に考えられます。また、死に至らなくとも、嘔吐や不整脈などの症状が出る場合も考えられます。
仕事などで、カフェインを取らざるおえない状況にある方は、上司に相談したり、医師などに相談するなどして、危険をいち早く回避するように行動してください。