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【社会心理学】「服従の心理」とは?ミルグラムが行ったアイヒマン実験をわかりやすく解説

投稿日:2019-02-14 更新日:

「服従の心理」とは、アメリカの心理学者スタンリー・ミルグラムによって執筆され、1963年にアメリカで公刊された社会心理学の著作です。

ミルグラムはこの著作の中で、「権威者の指示に従う人間の心理状況」を実験、研究したものをまとめており、発表後、人々を驚かせました。

今回は、この「服従の心理」の内容を要約すると共に、現代社会でどのように顕われているのかをまとめています。

目次

1. ミルグラムが行った実験

2. なぜ服従してしまうのか

3. 現代に潜む服従の危険性




1. ミルグラムが行った実験

ミルグラムは誰でもが権威に服従して、悪の怪物のようになってしまうことを、心理学の実験として論証しようとしました。これを「アイヒマン実験」と言います。

あなたは、実験室に入ると、研究者があなたに対して指示をしてきます。あなたは先生の役で、一連のテストを行う役割です。もし、そのテストで生徒役の人がまちがえると、罰として、電気ショックを与えるのがあなたの仕事です。

そして、生徒が何度も間違えると、その度に電流は強くなり、最後には致死に至るほどのショックを与えることになります。生徒は叫び声をあげながら、やめてくれと懇願します。

あなたは心配そうに研究者を見るが、研究者は「あなたの仕事を続けてください、責任はわたしが取りますから」と言います。

実際のところ、生徒は役者で、電撃は嘘で、叫び声は演技です。この目的は、実験のテーマは「権威と個人」です。つまり、自分の良心に反するような行為を強いられたとき、権威に対して、どこまで服従し続けるのかを見るのが、この実験の真の目的です。

あなたは、何割の先生役の人が致死に至るほどの電気ショックを与えると予想しますか?

結果的に、先生役の人の65%の人が致死に至るほどの電気ショックを与えて、実験を終えたのでした。この実験結果は、本人だけでなく、関係者すべてを驚かす結果となりました。

この実験から、人は権威に命じられると、かなり非人道的な行為まで手を染めてしまう。良心の痛みは覚えるかもしれないが、あえて権威に逆らうようなことはしないということがわかったのです。




2. なぜ服従してしまうのか

この実験から、私たちがどれだけ自分は服従しないと思っていても、多くの人が服従することがわかりました。なぜ服従してしまうのでしょうか。

なぜなら、服従することは、熟考や自由な考えをすることよりもかなり楽だからです。特に疲れていて、他のことに気を取られ、闘いたくない時は、選んでしまう傾向にあります。

また、服従の本質というのは、人が自分を別の人間の願望実行の道具として考えるようになり、自分の行動に責任をとらなくていいと考えることなのです。

 

3. 現代に潜む服従の危険性

この服従が原因で最も悲惨な結末を迎えたのが、ナチスドイツにおけるホロコースト(=ユダヤ人などに対して組織的に行った大量虐殺)です。

現代社会において、服従で最も危惧されるのが、企業社会です。会社の指示、上司の指示によって、指示されたことを疑問を持たずに取り組み、結果として逮捕されてしまった社員すらいます。

他にも、上司に気に入られようと熱烈な気持ちや報酬に飢えていることや、目をつむって従うことが成功への道だと信じて行動することも、残念な結果を招く可能性があります。

組織に対して、個人の考えで反論するのは、エネルギーが必要ですが、服従が招く結果が良いとは思えません。目の前にある大切にすべきものを考え、行動することが重要であると言えます。


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