インフォーマル経済(インフォーマルセクター)とは、経済学用語の1つで、経済活動が行われている場合に、その経済活動が行政の指導の下で行われておらず、国家の統計や記録に含まれていないようなものを指します。
今回は、このインフォーマル経済の定義、特徴と問題点を論文を参考にして、わかりやすく簡単に解説し、まとめています。
目次
1. インフォーマル経済の定義
2. インフォーマル経済の特徴
3.インフォーマル経済の問題点
1. インフォーマル経済の定義
発展途上国の都市でよく見かける露天商、廃品回収人、自転車タクシーの運転手、日雇い
労働者などの不安定な就業層である都市雑業層を「インフォーマル・セクター」と定義し
て、1972年に問題提起をおこなったのはILOのケニアレポートでした。
ILOとは…国際労働機関の略。1919年に創設された世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国連最初の専門機関。本部はスイスのジュネーヴ。
これは発展途上国においての経済活動で多く見られる形式であって、貧民とされる者によって行われています。農村に住んでいた者が職を求めて都市部に移住した場合に、インフォーマルセクターという形式で働き生計を立てている場合が多いです。
もし、発展途上国に旅行されたことがあるならば、路上での販売している人や、道路で歩きながら販売している人を見かけたことがあると思います。
2. インフォーマル経済の特徴
ILOの定義でインフォーマル・セクターの特徴とされているのは、主に6つ挙げられます。
①参入障壁が低いこと
②現地の資源を利用していること
③家族的経営など小規模な生産単位
④労働集約的で低い技術水準
⑤正規の学校教育以外で技術を取得
⑥公的統制されていない競争的な市場であること
3.インフォーマル経済の問題点
発展途上国のインフォーマル経済は、その国に住む,貧困層や失業者に対する雇用、収入確保のための場所である利点があり、生存費を稼がざるを得ない働く貧困層の受け皿として重要な機能を果たしています。
このようなメリットも指摘されている一方で、デメリットや問題点も浮上しています。
インフォーマル労働者の存在は、政府の徴税機能や経済主体間の公平な費用負担の阻害などの観点から、経済における非効率をもたらすことが考えられます。つまり、国としての持続可能な発展の妨げになっているということです。
もし、発展途上国の経済成長をより持続可能なものにしたいのであれば、こうした問題を解決する必要があると言えます。