こんにちは、バックパッカーのKenyです。
アフリカといえば、危険なイメージがあると思います。しかし、アフリカの中でもサハラ以北にあるモロッコは比較的安全と言われているのですが、犯罪に巻き込まれてしまいました。
今回は、手で握っていたスマホをひったくられ、警察、病院に行ったという個人的エピソードを綴っています。
目次
アフリカに行くきっかけ
ひったくり被害当日の朝
スマホが手からなくなった
ゴミだらけの取調室
保健室みたいな病院
アフリカに行くきっかけ
この犯罪が起きた発端は、私が大学4年生の時、フランス語を学びたいと思い夏休みを利用して短期留学すると決めたことから始まります。
ここで私は、「せっかくヨーロッパまで留学に行くのだからアフリカに行こう、留学前にアフリカに入って、陸路で留学先に向かおう」と考えました。
そういう条件で探してみると…
モロッコならジブラルタル海峡を船で渡り、スペインを経由してフランスに入れる、距離もそんなに遠くない、ということでこの経路に決めました。
アフリカもヨーロッパも楽しめて、最高の経路だと、行きの飛行機でウキウキしてました。この後、犯罪に巻き込まれることを知る由もありません。
ひったくり被害当日の朝
モロッコに到着して4日目の朝、メクネスという都市からタンジェまで、鉄道を使って移動するために駅へと歩いて向かっていました。
その日は天気も良く、太陽の光がいい具合に射して、清々しい気持ちで、今日は最高の鉄道旅ができると思っていました。
駅に入る前に売店で、シリアルと牛乳を購入しておきました。駅に到着して券売機でチケットを買い、駅構内のホームにあるベンチに座っていました。
電車が到着するまで30分ほど時間があったので、朝食代わりにベンチでシリアル食べ、牛乳を飲んでいました。
食べ終わり、まだ時間があったので、旅行中の日課としている、iPhoneで日記を書く作業をしていました。
少し疲れてきたので、iPhoneを右手だけで持ち、何気なく、片手でタイピングしていました。このちょっとした行動、判断の過ちが、命取りになることを知らずに。
スマホが手からなくなった
引き続き、片手でタイピングをしていると、スマホが急になくなりました。朝でまだ眠たかったこともあり、なぜなくなったのか、すぐにはわかりませんでした。
日常生活において、自分で手に持っているスマホがなくなることなんてないので、なぜなくなったのか、答えにたどり着くまで時間がかかったのです。
しかし、ふと顔を上げた瞬間、若い男が一瞬こっちをニヤッと見て、私のスマホを持って走り始めるのが目に入りました。私はやっとここで理解することができました。私はひったくりにあったのです。
私はなぜか一瞬、友人にでもイタズラでスマホを取られたと思ってしまいました。いざハプニングに巻き込まれた時、思考が止まったり、思考が変になったり、というようなことがよくあります。
この時も同様に完全に思考が止まっていました。しかし、私はバックパックをベンチに置いたまま、走り出していました。犯人を追撃しようとしていたのです。
思考は止まれど、本能で体が動く、そんな動物のような状態でした。
50mくらい走ったところで、追いつくことができ、タックルしてなんとか足止めすることができました。(ライターの私は、高校でラグビーをしていた)
その後、地面に倒れながらしばらくもみ合いになり、犯人は諦めたのか、私のiPhoneを線路に投げました。
もみ合っているところを、周りの人たちが発見してくれ、数人で犯人を取り押さえてくれました。10分ほどすると、警察が駆けつけ、犯人は現行犯逮捕されていました。
上の写真が現場の写真です。犯人の顔にはモザイクをかけています。チェック柄のシャツは警察官です、なぜか警察官は全員色違いのチェックでした。
清々しい気持ちでタンジェに行く予定が一変、行き先が警察署に変更されました。この車に乗って、警察署に向かいました。
なんと乗車する席は、警察官を挟んで、捕まえられた犯人の隣の席でした。もう少し被害者に配慮してくれと思いましたが、仕方ありません。
ゴミだらけの取調室
警察署に到着するも、20分くらい待たされました。みんな暇そうにしているのに、よくわからない待ち時間でした。
しばらくすると、取調室に通されました。部屋の中は、国の設備とは思えないほど、汚く驚きました。
この後、掃除する人たちがここに来て、20分くらいかけて掃除してくれました。フランス語での取り調べが始まり、身振り手振りで状況を説明しました。英語はほぼ通じません。
パスポートの情報などを記載して、取り調べは終了しました。その後に、タックルした際に負った腕に擦り傷の治療のため、病院に連れていってもらいました。
保健室みたいな病院
病院自体はとても大きな施設だったんですが、そこに備え付けられている設備は驚くほど簡素で、例えるなら小学校の保健室のようでした。衛生的にも問題がありそうです。
こんなにも日本と医療レベルの差があるのか考えつつ、治療を受けました。擦り傷だったのですが、包帯ぐるぐる巻きにされました。なんとかフランス語留学には行くことができそうです。
その後、警察の方がホテルまで送ってくれました。仕方なく、タンジェに行くのは翌日に変更しました。
まとめ
今回、私は擦り傷だけの怪我で、スマホも取り返すことができましたが、これは犯罪に巻き込まれた中で、かなり幸運な方だと思います。
例えば、犯人が拳銃を持っていたり、複数人の犯行であったのであれば、私の命はかなり危なかったと言えるでしょう。
犯罪に巻き込まれないためには、まずは危険なところに行かないこと、次に犯人に狙われる隙を与えないことが大切だと考えます。
旅行は楽しいですが、安全面も最大限に配慮して、危険な地域では、スマホなど取られても仕方ないくらいの気持ちで旅すると、結果的に、命は守られると思います。