こんにちは、バックパッカーのKenyです。
先日、エチオピアに2週間滞在してきました。その際に立ち寄ったのが、アルボレ族という6000人しかいない少数民族の集落です。エチオピア西南部の南部諸民族州に位置し、首都のアディスアベバから車で丸2日かかります。
ちなみにアルボレ語を話せる日本人は、世界で1人しかいません。それだけ小規模で貴重な民族ということですね。
今回アルボレ族の集落に滞在することができたのは、大学時代にお世話になった教授の研究フィールドだったからです。エチオピアでも大変お世話になったので、この場を借りて感謝いたします。
目次
1. アルボレ集落への行き方
2. アルボレ族の食事文化
3. アルボレの豊かな自然と子どもたち
1. アルボレ集落への行き方
まずは地図で場所を確認してみます。青のポイントが首都のアディスアベバで、赤のポイントがアルボレ村です。直線距離でも500kmあります。アクセス手段は下記の2つになります。
・レンタカーをしてドライバーをつける
・長距離バスを利用する
・レンタカーをしてドライバーをつける
私はこの選択肢で現地まで行きました。料金はドライバー込みで80USドル(10000円ほど)でした。
料金は交渉次第で上がったり下がったりするみたいですが、あまり安すぎると劣悪な車を貸し出しされて、目的地にたどり着かない、余計にお金がかかるということが起こり得るので、車の品質は必ずチェックしてください。
今回は上の写真のトヨタランドクルザーをレンタルしました。中のシートはベロベロで汚かったですが、故障もせず無事に帰還できたので良かったと思います。
ちなみに、契約した場所は、タイトゥーホテルの近くの旅行代理店で、数軒を訪問して比較検討して決定しました。
・長距離バスを利用する
これは正直、現実的ではない選択肢です。何本ものバスを乗り継がないとたどり着けませんし、バスも予定通りに来るとは限りません。
さらに、エチオピアの国道は穴だらけです。長距離バスの硬いシートに直角に座って24時間というのは体力的にも厳しく、それに加えてかなり暑いです。
今回、エチオピアの首都アディスアベバからアルボレ族までの道のりを動画にまとめていますので、よろしければ、ご覧ください。
2. アルボレ族の食事文化
アルボレ族の歴史
エチオピア人の主食はインジェラと呼ばれる食べ物で、テフという穀物を乾燥させてすりつぶして水で固めて発酵させて焼いて作られます。
アルボレに行く途中で食べたインジェラ
しかし、アルボレ族は敢えて一切インジェラを食べません。その理由はエチオピアの歴史の闇に隠されています。
もともとインジェラは高地人(=首都に住む人)の食べ物でした。それがやがてエチオピア中に浸透していきました。なぜ浸透していったのか、それは高地人が少数民族を植民地化していったからです。
ヨーロッパ諸国が第三世界の国々を植民地化したことは歴史の教科書に出てくるので、多くの方がご存知だと思います。しかし、国内での植民地化はあまり知られてないです。
海外から銃などの武器を輸入して、それを利用して少数民族を脅し、時には見せしめで殺人し、国内で植民地化を進めて行きました。アルボレ族も被害に遭った民族の一つでした。
このような歴史があり、高地人の主食、つまり敵の食べ物は食べないというのが、アルボレ族のとった判断でした。意志の硬さや伝統を守る姿勢がとても好印象です。ライターの私はこの旅を通じて、アルボレ族の生活様式や文化がとても好きになりました。
アルボレ族の食事
話が脱線してしまいましたが、アルボレ族の食事を紹介したいと思います。
炭入り牛乳
これはシンプルな牛乳と思いましたが、実際はヤギのミルクに炭を入れた複雑な風味の牛乳でした。炭を入れたせいか、甘みを強く感じました。
ただ、牛乳を入れている容器の味が、あまり良い風味でなかったので、ゴクゴクは飲めませんでした。
トウモロコシを粉にして固めたモノ
アルボレ族の伝統的な食べ物なのですが、名前をメモしていなかったため、正式名称忘れてしましました。
友人にこの写真を見せると残飯とけなされることが多いのですが、これは立派なアルボレ族の主食です。これには味が一切ついていないので、何かとセットで食べます。
実際に食べてみた感想は、パサパサした食感に砂のジャリジャリした食感が混ざっており、美味しいとは言えない味でしたが、それ以外食べ物がなかったため、しっかり食べました。
ハチミツ酒
これは、いかにもアフリカ民族特集などのテレビ番組に出てきそうな見た目です。川の水に、ハチミツのロウごと突っ込んで、そのまま発酵させたお酒です。
お酒といえどアルコール度数は1〜2%ほどなので、酔うことはほとんどありません。最初は見た目のインパクトにびっくりしましたが、飲んでみると美味しく、くせになる味でした。
アルボレの人たちは、これをペットボトルに入れて、お土産として渡してくれました。不思議なことに、日本に帰っても、もう一度このはちみつ酒を飲みたいと思ってしまいます。
シカの丸焼き
シカの丸焼きは、歓迎や祝賀などの時に食べられます。今回は、教授が長い付き合いがあったので、その場でシカを屠殺して、歓迎していただきました。
これを手でムシャムシャ食べます。味はほんのり塩味で、ワイルドな味がしました。最後の方は、胃と顎が疲れてきます。
このように、アルボレ族の食事はとてもシンプルなものでした。続いて、アルボレの自然について紹介していきます。
3. アルボレの豊かな自然と子どもたち
アルボレの集落はサバンナ気候で、緑が豊かというわけではありませんが、当然、空気が澄んでいて、夜になると圧巻の星空でした。そんなアルボレの自然を紹介して、終わりにしたいと思います。
日の出前のアルボレ村
日の入り前のアルボレ
車に興味を示す子どもたち
水の供給源「ウェイト川」